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2017/10/15

『空海に学ぶ仏教入門』をご紹介

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吉村 均先生の『空海に学ぶ仏教入門』(ちくま新書)

この書を、ご紹介しましょう。

力のこもった一冊です。


正直に言うと、

新書のわりには、むずかしいです。
すぐに読めるかと思って、
読み始めましたが、

導入部分は、非常に読みやすいものの、

さすが 空海! むずかしい!

途中から難儀をしはじめ、読むスピードがどんどん遅くなる
がんばって、
真ん中くらいの「 第七 覚心不生心 ― 中観の心 」の章をすぎると

また、スムーズに読み進むことができました。


これは、自分の理解能力とも関係があるのかもしれません。

それぞれの人が、それぞれ
スラスラ読める部分と
難儀しながら読み進む部分をもつだろうな
と、思わせられます。

それだけ、広い仏法の領域を押さえているからだろうと思います。


        ■■■


著者の執筆の意図としては

空海の教えを通して、密教に至るまでの仏教を
現代に蘇らせようとしている

と、わたしは読みました。

いわゆる、明治以降の現代的な批判的解釈による仏教理解ではなく、
現代人が生きていく指針となるような、伝統的な仏教理解を、

古くて新しい教えとして、蘇らせようとしているように見えます。


熱いなあ!
篤いなあ!


仏教の全体にわたる、広すぎる視野
Dsc02367s
まんだら、まんだら、曼荼羅模様

場所は 
インド、中国、日本、チベット、東南アジア、
おまけに、ヨーロッパ、アメリカに至るまで

時代は 
釈尊、部派(テーラワーダ)、大乗、密教
おまけに現代に至るまで

心は 
地獄から凡夫、声聞、独覚、菩薩、仏
おまけに色界・無色界の心まで

教えは
阿含経典、華厳経、法華経、大日経、金剛頂経
おまけに 般若心経に至るまで

身体は
法身、報身、変化身
おまけに。。おまけに。。おまけは、もうない

そして、最後に

体験は
空一つ
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空は、どうやら、(瞑想の)体験として
とらえられているように思われます。

瞑想中と瞑想後 は、仏教の二諦(勝義諦と世俗諦)に対応していて、
仏陀の境地になると、瞑想中も瞑想後も、(体験に)まったく差はなくなる

ということが、説かれます(p.200)
>Dsc02362s


ですから、仏教の説明としては、

凡夫は、「実体視にとらわれる」(p.63)とくりかえし説明され、
聖者は、「実体としては映らなくなる」(p.200)といわれます。
ここに、「空」のわかりにくさが、あるような気がします。

瞑想体験などのない人には、
わかりにくく感じるのではないか、
と、ちょっと思いました。

Dsc02364s

しかし

伝統的な理解の立場と、著者も語っているのですから、
ここはいたしかたのないところかもしれません。


         ■■■


とはいえ、密教の核心に入っていきますと、
凡夫には敷居の高い世界であることが、
やっぱり
明らかになってきます。

空海の『秘蔵宝鑰』『十住心』にもとづいて見るならば、

公開ではない、秘密の教え(九顕一密、九顕十密)
とされるのです(pp.188-190)。

したがって

灌頂の儀式によって師と縁を結んで
密教の修行を行わなければならない

ということも強調されています(pp.187-188)。

現在でも、真言宗では(三摩地の法については)
灌頂を受けずに解説を聞くことはできないようです(p.197)。


うーん、やっぱりハードル高いぞ、厳しいぞ。


この高いハードルをやや下げるために
ここからは、わたしの勝手な解釈です。


形式としての灌頂という儀式のみにとらわれず
経典を通して、シンボリックに灌頂をとらえ、
また、仏陀を師として縁を結ぶことも可能であるように思います。

こう解釈すると、密教の伝統的な世界からは
はずれてきますね。おこられそう。

それはともあれ、

密教の世界が、ここでまた、多くの人に親しまれてくるなら、
この書は、仏教界にとって大きな一歩となりそうです。


紫の菊も あじわう秘密の蜜
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はるけくも 秘密の教えに いたりけり

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コメント

えび天サンバさま

>完全燃焼して灰になった

うらやましいような、良いことばですねぇ。
わたしも、こうなりたいです。

小峰氏の『曼荼羅入門』ですが、読むと、わたしの中で自然と原始仏典につながっていくのです。
密教は、仏の立場から著したものだとよく言われますが、その意味がわかりました。
たしかに、ブッダが直に語ったとされる言葉を集めて、悟りの世界が構成されています。

煩悩をもつ衆生の多様性の中に、一切智をみているなあと思います。

もっとはまると、もっといろいろ見えてきそうな気がして、楽しみです。

投稿: 管理人エム | 2017/11/11 18:03

エム先生

完全燃焼して灰になった師父に泥を塗らないように戒める毎日です。お気遣いありがとうございます。

「般若経典の明確な根拠を、龍樹は『中論』で示したと思います。最近、小峰彌彦氏『図解 曼荼羅入門』をキンドルに入れて読んでいて、すごく触発されています。」

ありがたいお言葉を頂きました。早速、参照してみます。いつもありがとうございます。

春間さん

僕は山寺の小僧でしたが、高野山にいたのは半年+50日程で、仏教系の大学に行ったわけでもないのです。四度加行を授かった時、和上から教学は自分で勉強するように、と言われて行だけを授かったのでした。だから、こうしてエム先生から学んでいる訳です。

それはそうと、ブラタモリのお陰で高野山の結縁灌頂は普通、昼間で終わるところ、夜までかかったそうです。最近、知り合った人から聞きました。春間さんも結縁灌頂はきっと授かっていることでしょう。確かに密教を学ぶのは文字だけでは難しいとは言えますね。

投稿: えび天サンバ | 2017/11/10 10:42

受ける器があり
承けさせる 密 がある

器に 「平等」 があるが
受ける者に 「揀択」 があり 無為がある

意識の 支配下にあるとき
 受けること(受けたこと)と 受けない)受けているのを見過ごす)こと  とがある

空海から 灌頂を受けたモノは その時点で すべてを受けているけれど
何を受けているかは 「修行」 に 起きる
「 修証一如 」 は 名称にすぎない

法然・親鸞・道元・日蓮

すべて 空海(大日)の灌頂に縁る 密教の行者 です

( 理趣経・大日経 を 知らずに 仏教はない )
( 誰にあろうと  アナタ に あるかないかが 問われている 、、、、 )

問うのではなく 「精進」 と 「修行」 に 起きる


いくら高野山で 学を積もうと
学を積んで 、 学によって 成就した者  は いない
( いるのなら 紹介してください )

成就せずに 成就を語る

( なんか ズレテイル  とするのは  ズレてる者の ズレ に 過ぎないかな ? )


どう関連付けるかで 
聞いてること(言ってること) の 意味が決まる

言ってるのが 誰かは 決める者が 決めること 、、、、
( <これ> があるとき <これ> がある )


投稿:  春間 則廣  | 2017/11/06 10:48

えび天サンバさま

お父上さまがお亡くなりになったとのこと、お悔やみ申しあげます。
そうなんですね。わたしは、しばらく覗いていなかったので今頃読んでいて、ちっとも知らずにいてすみません。

こんな中でも、如来加持力を得たのは、すばらしいです。
わたしは、6年前に父を亡くしたのに、最近思い出されて仕方ありません。
出会うものとは別れるならい、とは、知っていても、知らないことばですね。

八不中道は、聖者への道だから、確実に瞑想の世界へと導くと思います。
般若経典の明確な根拠を、龍樹は『中論』で示したと思います。
最近、小峰彌彦氏『図解 曼荼羅入門』をキンドルに入れて読んでいて、すごく触発されています。

原始仏典(特に『スッタニパータ』)から、そのまんま密教に直結するな、って思って、曼荼羅を見つめています。

なんで、大乗や密教は、ブッダの教えとかけ離れているように言うんだろう、と不思議でなりません。そのまま見えているのに、という感じです。
お力落としになりませんように。

投稿: 管理人エム | 2017/11/05 10:06

早速読んでみました。読み始めてから読み終わるまでの間に、師父が亡くなったりしてちょっと大変でしたが、ちゃっかりとこの本からも如来加持力をいただいてしまいました。ところで最近の先生のお話の中で、八句のお経、これが般若波羅蜜となっていくのではないか?しかもこれは瞑想のある側面を確実に担っているのではないか?なぜならば三業や三密自体も瞑想にほかならないからです。恐るべきは龍猛大菩薩と言いたいところです。実に恐るべきはマニカナ主婦大菩薩。

投稿: えび天サンバ | 2017/10/28 21:12

>「 しいにある きくもあじわい みつのちに 」

>紫衣(思惟) にある 聞く(菊)も 味わい 密 後(の智の地)に 

ほお~! lovely

投稿: 管理人エム | 2017/10/28 10:18

紫の菊も あじわう秘密の蜜

「 しいにある きくもあじわい みつのちに 」

紫衣(思惟) にある 聞く(菊)も 味わい 密 後(の智の地)に 

投稿:  春間 則廣  | 2017/10/26 12:49

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