« 2014年1月19日 - 2014年1月25日 | トップページ | 2014年2月2日 - 2014年2月8日 »

2014年1月26日 - 2014年2月1日

2014/01/26

「賤しい者」は「癒しぃ者」へと

140123_071856
写真は、どことなくくりまわし気味です。

気にしないでね。

朝日カルチャーセンターで、
『スッタニパータ』を読んでいます。

うーーーーーーん、すごいなあ、と思ってしまう。

ブッダの語りは、ハンパじゃないですね。

だいたい、
「三日前から練りに練って答えました」
なんてものじゃなくて、
その場で、出たとこ勝負ですからね。

時々刻々と変化する状況の中で、相手の心を捉えつつ、
これだけのことをまとめて話せる!

すごいとしか、いいようがありません。


「これだけのこと」って?

と、聞きたくなるでしょ?


「これだけ」というのはね、

この経典 のことです。
「賤しい者」経 というのです。


     ◇◇◇


托鉢しているブッダを遠くから見かけた火を拝むバラモンは、
ブッダに向かって、こんな風に言ったのです。


「そこのはげ頭、そこの似非沙門、賤しいやつめ、そこに立っていろ」


こんなことを言われたら
びっくりして、ショックを受けそうですが、ブッダは、ブッダ、
さすがブッダ、えらいぞ、ブッダなのです。


「では、バラモンよ、
あなたは、賤しい者や、賤しい行いや、賤しい法というのを
知っているのですか」


こう答えたブッダ。バラモンが、今度は、びっくりする番です。
そんなことは聞いたこともありません。
そこで、
知らないので教えてください、と頼む羽目になります。


ここから語られる「賤しい者」の正体。。。
身につまされることでしょう、誰もが。


それに、この「賤しい者」とは「ヴァサラ」ということばで、
これは、「賤しい身分の者」という意味があり、
カーストの下位の身分を、卑しめて言ったものと考えられるのです。

今では使われないことば 「賤民」などとも訳されるのです。
現代では、差別用語になってしまうでしょう。


        ◇◇◇


この、「ヴァサラ」という差別用語を用いながら、
ブッダは、法を語ります。

次々と、「賤しい者」が明らかにされていくのですが、
すごくひどいことを言っているにもかかわらず、
なぜか、暖かく、
いたいことばでありながら、
ありがたいのです。


賤しい者とは?


116 怒りやすくて、怨みをもち、偽善を行う悪人で
、見解の破滅している、詐欺師である人、
かれを「賤しい者」と知るべきである。

117 一度生まれるもの(胎生)でも、
あるいは、二度生まれるもの(卵生)でも、
この世で生き物たちを害する者、生けるものに対する憐れみのない者、
かれを「賤しい者」と知るべきである。


こんな調子で、どんどん具体的に細かく語られていきます。

そして、
「似非沙門!」とどなって、何もお布施しようとしなかったバラモンに、
ちょっぴり、ずきっとくることば、こんなこともさらっというのです。


130 バラモンや沙門に対して、食事の時間がきているのに、
ことばで罵って、何も与えない者、
かれを「賤しい者」と知るべきである。


うっ、いたっ!
って、ところかもしれませんが、これが語られるのは、
もう、最後の方です。

この頃には、すっかり感じいっているバラモンなので、
抵抗なく受けとめられているのです。


そして、もっとも下賤のもの、について語ります。


お布施をする側を戒めると、
今度は
お布施をされる沙門の側を戒めます。

最悪の「賤しい者」とは、こんな人です。

135 実際に阿羅漢ではないにもかかわらず
阿羅漢であると公言して、
梵天とともなる世界において盗賊である者、
かれはもっとも賤しい者である。


自らの立場にもっとも厳しい判断をくだしているのです。


そして、有名なことば、次のことばが語られます。


136 生まれによって賤しい者となるのではない。
生まれによってバラモンとなるのではない。
行いによって、賤しい者となり、
行いによってバラモンとなる。


カースト(身分)を示すことばは、
人間の生き方を示すことばへと
中身が入れ換えられているのです。


「空」の妙技をご覧ください。

何と巧みで、何と優しい教えに満ちているのでしょうか。

こんなにも「賤しい者」が、次々と説かれているのに
誰も傷つけないなんて、

はあ、ブッダのことばは

「賤しい者」を語っていても、
「癒しぃ者」を教えてくれますね。
Dsc00438s
たんなる朝日です。寒いわよ!10日くらい前かな。

| | コメント (41) | トラックバック (0)

« 2014年1月19日 - 2014年1月25日 | トップページ | 2014年2月2日 - 2014年2月8日 »