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2012年1月1日 - 2012年1月7日

2012/01/07

ユダヤ人を思う日本人のわたし

011
くるん!

012
ぱっ!

はあ、動きが速くて、写真が撮れない。

暴れまくり
013


遊びまくり
020


かじりまくり
002


転がりまくる
019


と、とまったっ、それっ!
017

わたしも、何やってんでしょうね。

====
徳永恂氏『ヴェニスからアウシュヴィッツへ』(講談社学術文庫)

手に取ったのが、運の尽き。
そのまま読み始め、あっちこっちと、ランダムに飛ばし読みしながら、
けっきょくほぼ読んでしまう。

和辻哲郎文化賞受賞した徳永氏の『ヴェニスのゲットーにて』を、
文庫版に作り直したものです。

賞からも察せられるかもしれませんが、
たんなる学術書を超えた
文化の香り豊かな一書です。

第一部は、旅行記を中心にした
「ヴェニスからアウシュヴィッツへ」

第二部は、思想史を基盤においた学問的考察
「ドイツ反ユダヤ主義の諸断面」

このような二部仕立てになっています。

わたし自身は、旅行記もおもしろかったけど
第二部の思想史的な考察に深く心を惹かれました。

    ***

なんだろう?何が問題なのだろう。
どうして、ユダヤ人は嫌われるのだろう。
どうして、ユダヤ人のいるところには、
いろんな対立的な抗争が引き起こされるのだろう。

現在1300~1400万人といわれます。
世界の人口ほぼ70億の中では、わずかです。

なのに、こんなにもユダヤ人は、その名をよく知られ、
どちらかというと、嫌われたりする方が多いようだ。


おそらく、日本人は、世界の中でも、
この、ユダヤ人をめぐる歴史上のさまざまな問題に、
いちばん疎い人々なのではないだろうか。

本の中に、こんな風にある。

「日本は世界でも珍しくユダヤ人迫害のなかった国として
知られている。
それはごく単純に言えば、
日本にはユダヤ人がいなかったからである。
ユダヤ人と接触したことさえほとんどなかった。」

確かに、そのとおりだ。

でも、わたしが考えることには、もう少しちがった要素もある。
わたしたちは、ユダヤ人に出会ったことがない、というだけではない。

    ***

「ユダヤ人」ということばのもつ意味に
出会ったことがないのではないだろうか。

ユダヤ人!
ユダヤ人って、何?どんな人々?

ユダヤ人は、人種の名前では、実はない。
ユダヤ人は、ユダヤ教徒である人々をいうのです。

じゃ、
ユダヤ教徒は、どうやってなるの。
基本的にユダヤ人の母から生まれた人はユダヤ人。
ユダヤ教に改宗した人がユダヤ人。

ユダヤ人とユダヤ教は、お互いにしっかり結びついています。

    ***

だから、
「ユダヤ人」の「意味」というのは、
「ユダヤ教」の「意味」と言ってもいいでしょうね。

長い日本の歴史の中で、
日本人は、精神的な宗教的な側面で、
ユダヤ教とほとんどかかわってこなかった、
って、ことかな、と思います。

もっと端的に言うならば、

ヘブライ語聖書(旧約聖書)と接触することが、
ほとんどなかったと言ってもいい。。

どんな形でも、身近に聖書を感じたことはありません。
少なくとも、わたしはそうです。
多くの日本人も、そうではないでしょうか。

でも、世界の本当にたくさんの人々は、
聖書をよりどころにしています。

ヘブライ語聖書(旧約聖書)は、よくよく考えると、

ユダヤ教の聖典であるだけではなく、
キリスト教の聖典でもあり
イスラム教の聖典でもあります。

ヘブライ語聖書をよりどころにする
これら、三つの宗教をあわせると、
世界の人口の半分をかんたんに超えてしまうのです。。

    ***

こういうたくさんの人々が、聖書の中から、
宗教、倫理、哲学、社会、経済などにかかわる
ありとあらゆることがらを取り出し、
それらによって、問題の解決を図ろうとするのです。

時代や場所を越えて、さまざまな問題が、
出てくるでしょう。

それらは、ヘブライ語聖書を生み出してきたユダヤ人のところに、
何らかの形で、
集まってくるように、できているのかもしれません。

宗教の形態は、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教と、
それぞれ独自のものをもちながら、

地下水脈のように、ヘブライ語聖書の世界を
潜在的に共有しているが故に、

一神教の文化圏は、分かちがたく、離れがたく、
間歇的に、
いろんな問題が、地殻の弱いところを破って、
吹き出すのではないでしょうか。

こうして、ユダヤ人をめぐって、
迫害や虐殺など、さまざまな苦難の歴史が
作られていったのかもしれませんね。

    ***

と、書いてみたけど、

たいしたことを言っていませんね。
あんまり理由になってないしな。。

なぜ、ユダヤ人は、かくも、みなの憎悪の対象にならなければいけなかったのだろう、
って、疑問は、くすぶってしまいます。

やっぱり、わからないことだらけだけど、
それでも、少し ユダヤ人のことが、
身近になった気がします。

    ***

このような文化圏の外にあったのが、

日本 ということか。。。

日本人に生まれて
ユダヤ人に生まれなかったわたし。

世界のできごとの半分以上について、
何も知らずにきたのかもしれないなぁ。

うーーん、うちの猫と変わらん。。。


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2012/01/02

粕谷知世氏『クロニカ』 文字の神キリスト教 vs 文字をもたない国インカ

新年の初ブログです。みなさま、今年もよろしく。

生きてると、いいこと、ありますね!サムや。
猫のサムにとってよいことは、これ↓
001
ダンボールのおうちを捨てて、ゴーカなふわふわのおうちをゲット。

うう~~ん、すばらしいぃ~~
新聞紙もかさかさしないしねっ。

お隣からのいただきものです。

中を覗くと

気持ちよすぎ。。ぽわ~ん。。うっとりぃ。
009
★に守られ夢を見る。

===
さて、話は変わって
わたしにとってのよいことは、この本に出会えたこと。

若く情熱にもえるファンタジー作家、粕谷知世氏の

『クロニカ 太陽と死者の記録』 (新潮社、2001年)
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第13回日本ファンタジーノベル大賞を受賞した意欲作。

およそ16世紀、インカ帝国の滅亡の頃です。
スペイン人の侵略に翻弄され、
その文明を終わらせたインカの人々の歴史的なできごとを、
ご先祖さまである木乃伊(ミイラ)の口をとおして
ファンタジックに描いた

えもいわれぬ味わいのある、驚きの小説です。

★たんなる歴史的事実を扱った読み物ではない。
しかし、スペイン人がインカの人々に何をしたか、はっきりと記されている。

それは、記録(クロニカ)である。

★たんなる古代インカの宗教的な文化を扱った読み物ではない。
それは、死者の木乃伊が、実際に生きている者たちに実際に語りかける。

それは、記録(クロニカ)である。

★たんなるファンタジックなフィクションなのでもない。
そこには、文字の神をもつキリスト教と
文字をもたないインカの神や木乃伊をもつ文化の衝突がある。

それは、文字をもつ神に征服された
文字をもたない文化の終焉の記録(クロニカ)である。

===
山深く隠され、人々の信仰の対象になっている木乃伊。
ご先祖さまの木乃伊たちが、生き生きと語ります。
かれらの体験した歴史的なことがらを。

木乃伊の語りは、古老の語り部が語る昔話のようですが、
しかし、自分たちの体験そのものに根ざしているので、
まるでその場にいるような臨場感があります。

ファンタジーとも、歴史物語とも、とれます。

この木乃伊の語りとともに、
スペイン人たちの国土の蹂躙と略奪が描かれます。

かれらは、木乃伊に偶像崇拝のレッテルを貼って、木乃伊を燃やし、
キリスト教の神をインカの民に押しつけます。

悲劇的でありながら、でも、けっして悲劇ではない。
むしろ、語り部の木乃伊ワマンや、聞き手の少年アマルの
豊かな精神の躍動に、インカの文明の永遠性を見る想いがします。
===

この小説は、いろんな読み方ができると思います。
ファンタジーノベルと名づけられているので、
ファンタジーでもよいでしょう。

でも、

わたしとしては、「文化の衝突」という、ここに焦点をあてたいのです。

本の冒頭は次のようにはじまっています。

「文字をもたなかったのである。」


そうなのです。文字をもたなかったが、一大文明を築き上げたのです。
一方、
キリスト教の神は、文字の神として、小説には登場します。

「はじめに言葉ありき」

と聖書には記されているのです。

文字をもたない文化と
文字をもつ文化とが、

平等に、対等に、描かれている、その視点が、新鮮です。

けっして、キリスト教的なロゴスの文化に肩入れすることもなく、
また、
文字をもたないインカの文明への思い入れが強すぎるわけでもありません。

このバランスが、とてもいいと思います。

だから、この本は、文化論として読むことができる!
と思うのです。

お勧めですから、興味のある方は是非読んでみてください。

ちなみに、主人公の少年の名、アマルは「蛇」という意味です。
智慧のある賢い少年、かれは、自分たちの文化の外にある文字を学んだのです。

そして、それを、植民地の住民のために用いて、植民地の支配者たちにたいして、
裁判闘争をしかけて戦ったと、本の最後の方に記されています。

スケールの大きな文明の衝突を、リアルに、かつ、ファンタジックに描いた
ゾクゾクするような作品です。

おもろかった!002
あら、まだ寝てるの。


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