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2010年2月21日 - 2010年2月27日

2010/02/25

『大智度論』作者問題 まじめ!

005
屋根の雪が落ちて、そびえています。
今年は、雪が少ないので、山がちいさいわ。
窓越しにぱちり!
 
さて、武田浩学氏の
「 『大智度論』の著者は龍樹ではなかったのか
 その独自の般舟三昧理解から羅什著者説の不成立を論ずる」

http://ci.nii.ac.jp/?TZ=20080125185313460

(上の、検索システムに、
The Authorship of the Mahaprajnaparamitasastra
をコピペして入れてください。論文を読むことができます。)

を拝読。

『大智度論』は、『大品般若経』の註釈とされ、
著者は、龍樹とされてきました。

漢訳しか残されず、その訳者は、鳩摩羅什です。

近年、龍樹作にいろいろ疑問が提示され
著者が、龍樹であるということも疑いの目が向けられています。

その中に
鳩摩羅什が書いたのではないだろうか、という説があります。

武田氏は、『大智度論』は龍樹真作であると
主張されています。


「般舟三昧」をキーワードにして、

『大智度論』は、龍樹作とされる『菩提資糧論』と同じ解釈をとっている

羅什個人には、そのような理解は見あたらない


非常におおざっぱな内容要約をしてしまうと
こういうことになるかと思います。


確かに、『大智度論』には、
羅什の手が入っていると思われるところもあって、
それが、羅什を著者とする根拠になっています。

それならば、と
武田氏はさらに一歩進めて 
============================
○羅什が書いたのであれば、羅什の理解がはっきり!反映されているはずである
============================
と、考えました。

このような観点から

羅什の知らなそうなことを
『大智度論』の中にさがして、
それを論拠にして
羅什作を否定しようとしているわけですね。


この論文から、受けた示唆は
==========================
『大智度論』のスケールの方が、羅什の器をはるかに超えている
==========================
ということを示すなら
羅什作は否定できる

ということです。


『十住毘婆沙論』を訳出するとき
羅什は、華厳経の知識が足りなくて難儀をし
耶舎の協力を得て、訳出した

ということは、よく知られています。

『菩提資糧論』と『十住毘婆沙論』は
親近性があることも、知られています。

羅什の知らなそうなことが、この辺にありそうですね。
武田氏は、このあたりをねらいにしましたね。。。フムフム。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
さて、本題。

わたしも、読めば読むほど 

『大智度論』作者は龍樹である

と確信します。 

同じ方針でいくなら、
羅什作はありえないとすぐわかるところがありますよ。

====================
○羅什は、論法・論理学が、めっちゃ弱いのです。
=====================
 
『方便心論』を知りません。
羅什が亡くなった後に、訳されました。
 
龍樹の論理は『中論』などを通して理解しているだけなのです。

だから、いろいろ龍樹作品の訳でも、
「なんかなぁ」と思うところがあります。。ごめんね。
でも、それらは、単に疑いに過ぎません。
傍証とはなるかもしれませんが、確証を得るにはならないのです。

で、そこで!

明らかなところを、ドンと出してしまいましょう。

【論拠】====================
『龍樹と語れ!』pp.179-185,pp.205-213
 
ここには、

『大智度論』の
四種の悉檀(シッダーンタ) (「定説」の意味)

『方便心論』の
四種の「執ったこと」と
同じ内容であることが、証明されています。

=======================
 
『大智度論』の最初の方に、四種の悉檀は出てきます。
『大智度論』著者は、ここでは

=====================
般若経典が、「不諍処」(争わないところ)である
====================
ことを示そうとしているのです。

これは、般若経典の大事な特徴なのですが、それを
『方便心論』を基礎において、話しているのです。

つまり、

『方便心論』の「争わない論法」である龍樹論法をもとに
般若経典の位置づけを語っているわけです。

「悉檀(定説)」は、チャラカが用いている論理用語です。
仏教徒が、積極的に用いるものではありません。
 
外教徒を意識した表現を用いて、
言い争わずに、対話する仏教の姿勢を示している

と見ることができます。

また、ここは『スッタニパータ』を、しっかり押さえて、そこから
展開しています。

ブッダの「言い争うな」という教えを、身につけ
チャラカの論法を知って、かれと対話しながら
『方便心論』で、「言い争わない」論法を展開できた
龍樹しか、この『大智度論』のこの個所は書けません。

したがって
『方便心論』を知らない羅什には、このような展開で、
このように般若経典を解説することなど
夢にも思いつかないことなのです。

羅什の口から「悉檀」のことばが飛び出すことは
まちがってもありません。

★最後に★
================
龍樹のねらいをもっと明確に言いましょう。
龍樹は、
般若経典が
ブッダの教えからまっすぐ導かれたものだ
ということを、言おうとしているのです。
=================
ええいっ!もっと言っちゃおうかな!

般若経典は、阿含(アーガマ)経典と同じように
ブッダの教えを聞いたものが、
伝承(アーガマ)してるんですよ、

って、
言おうとしてるように、思うのです。。。わたしの耳には、そう聞こえるな、龍樹の声が。。

詳しく話すと、かなりの量の論文になると思いますが
時間のないわたしは
日記に書いてすませちゃうのでした。

★最後の最後に★

このように

『龍樹と語れ!』は

仏教にとって、すごく大事なことがたくさん書いてあるのですが
あまり誰も気づいてくれません。
 
龍樹の理解には、欠かせない書であると同時に
仏教の理解にも、欠かせない書であると、思っています。


最後は、本の宣伝でした。。。。疲れたにゃ。。

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2010/02/22

般若ぁ~~波羅蜜っ~~

なんですか、これ?
何を撮ったの?

青空?
のーー!
電線?
のーー!
屋根?
のー、のー!

あと、何も無いけど。。。
あるでしょ。。ちっちゃい点。。上の方に
実は、 これ、 お月様。。。でした。
009
 
本は、煮詰まったジャムのように、
ねばついて、まとわりはじめました。

やっぱり、1から考え直すか。。。
 
という、悲惨な状況ですが、悪いことばかりでもなく
とうとう、般若波羅蜜の入り口に到達した気配も。。 
 
なきにしもあらず

『大智度論』のうしろの方を、読んでましたら、
書いてあることが、なんだかスラスラ
わかるじゃないですか!!!

どこ読んでるの?

『大智度論』第68巻 
第46 魔事品
 
マジに 魔事品 を、読みふけりました。。 
あたってる、あたってる。。わたしだ、これ!

賊には二種類ある。内と外ですと。

外は、実際に般若波羅蜜を得るのに障害となる人々。。いろんな種類の人々ね。

内は、自分の心にしたがって出て来るもので、憂いの心や、法の滋味を得ないことや、
邪見や疑いや不信の念が出て来ること。
(内者自從心生憂愁不得法味。生邪見疑悔不信等。)(『大正蔵』25,533頁下)

外は、どうでもいいけど、内が、うちの心と一緒や。。。
「疑い」とか「憂いの心」とか「法の滋味を得ない」って、あたってる。。


それから


菩薩が、人々のために法を説こうとして、はりきって言おうとし
一方、
聴く方も、はりきって聴こうと身構えてるのに
ぜんぜんことばが口から出てこない。。。うっ!!

これも、魔事ですと。

そうか!魔か!畏るべし!

魔がアーナンダの心に入り込んで
ブッダが三度たずねたのに、三度答えられず
しばら~くたってから、急にしゃべり始めた。。んだって。

うーん、そうだったのか。
 
人ごととは思えない。。
ひょっとして、この前、ことばが切れたのは、これだったのかもね。

大事なのはここだわ!
====================
般若波羅蜜の、ほんとうの姿は、定まった特徴がないことなのよ。
だから、楽に語ることができないの。

諸仏や菩薩は、大悲の心を起こして
衆生のために法を説くけど、
ことばや表現ににこだわらないの。

無所得(もってるものがない)という法を使うのよ、
そして、すっかすっかの空の特徴をもつ
般若波羅蜜を示すのよ!
(536頁中)

(般若波羅蜜實相中無定相法。云何可樂説。
若有定相則心著樂説。諸佛及菩薩以大悲心故。
爲衆生説法不著語言。用無所得法。
示衆生畢竟空相般若波羅蜜。)

====================
 
言ってる意味が、よくわかる

大乗仏教というのは、決まった形をもたない仏教なのだ。
だから
破壊されることがない。。。。

論理の味わいは、大乗の中で、蒸留されて
かぐわしい 般若のアロマと なりました。。。
002
チョコもらえなかった方に、プレゼント!
といっても、
他人のチョコを盗み撮りです。。。おい!
 

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